縦使いにレットアウトされたミンクコートを横使いにリメイクできます。
プリマモーレ(初恋)はイタリー語、ミンクは誰もが最初に恋する毛皮です。
横使いにすることによってカジュアル感がでます。
またストライプ間に入るストレッチテープにより、軽く、やわらかになります。
さらにミンクの頭部部分がカットされることにより軽くなります。
デザインにもよりますが、同一のコート面積ならおよそ500gから1000g軽くなります。
このシリーズのリメイクは大変好評でこの3年間に340点させていただきました。
後ろ背身頃〜袖山〜前胸身ごろは一枚の連続したパタンで毛皮も同様に縫製いたします。
PA=8 横使いハーフスリーヴに オリジナル デザイン画 フロント サイド
マホガニーのブルゾン カラーの原皮使いは
横使いに なるかもラグラン袖だったので
幅出しが必要でした1.6kgが1.1kgになりました
このプリマモーレという加工方法が使えるのは、毛皮にはレットアウトという技術があるからです。
本来ミンクなどの毛皮は、3mmほどの太さにカットされたピースを0.5〜3cmずらして縫い合わせています。
この一部をほどいて、縫い直すわけです。もともと手をかけて、縫い合わせたミンクのコートを
袖はバッグに、身頃はベストにというカットリフォームの前に、もう一度毛皮を生かしてみてください。
そんな思いで、お客様のご要望に答えられるよう心がけています。
PA=7 ブラックミンク・ジャケット を横使い、ベルスリーブのジャケットに ブラックミンク とデザイン 分解して割り当てます 横使いにストライプの修正 少しオフネック
オリジナルのジャケット
デザイン画とサンプル
分解した左身頃
パタンのフワリに合わせて原皮を割り当てます
パタンに合わせて
ストライプを修正します
レットアウトの修正が
終わった新しい左身頃
ウエストをシェイプ トワールで仮縫いします 袖口は45cm
PA=6 マホガニーポンチョ を ダブルの横使いジャケットに 20年ほど前
マホガニーミンクの出始めの頃
お求めになったものです。
PA=5 パールミンク・ブルゾンを ウエストシェイプのジャケットに 30年ほど前
香港で求められたそうです。
PA=4 サファイアハーフを ショートジャケットに まだ変色のまったくないサファイア。
ビッグファッションの頃のデザインでほとんど着ずにしまっておいたそうです。
PA=3 パールミンクコートを デザイン画 横使いコートに 基本的にもとのコートのフレアー(すそ周り)の半身が新しい着丈になるわけですが、
(1)レットを戻して幅出しすること
(2)ストライプ間、さらにグラッツエン間にも1cm幅のストレッチテープを入れることにより
着丈を出すことができます。ウエストシェイプのロングコートを幅 出しして横使いに 一部原皮のレットの戻しが不可能でしたので、新原皮に取替えました。
PA=2 2着のハーフを デザイン 画 フード付80cm丈に 2着のダークミンクハーフ
一方は逆毛でした。
フードコートは長年の夢だったようです。
PA=1 | 斜め使いのセーブルコートを | ボレロ風ジャケットと | ポンチョに |
1点から オフネックのハーフとポンチョ製作 |
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半裁の斜め使いでした | セーブルは毛足が長いので 2cm幅のストレッチテープを入れることが可能 です |
縦使いのコート を | デザイン画に合わせてトワール仮縫い | 横使いに画 |
オリジナルコートの有効面積と新しいコートの必要面積を調べます | 横つかい用のパタン | |
一本づづストライプを分解します | レットを戻し巾を調整し、カーブをつけます | ストライプ間にストレッチテープを入れます |
プリマモーレとはミンクを横使いにレットアウトして、ストライプ間に、以前にはレザーテープを使用しましたが、
柔らかく、仕上げる為、ストレッチ性のある素材を使用したアラン工房独自の縫製とネーミングです。
ネーミングには慶応大学の哲学者:故 沢田充茂(さわだ のぶしげ)氏の「昭和の一哲学者」のなかよりヒントを得ました。
ミンクは誰もが最初に恋する毛皮です。
私も父が持っていたゴルフのクラブを袋に入れて、何本かあるのを担いで、銀座のどこかに売りに行った事を覚えている。
父がイタリーで買ってきた「プリマ・アモーレ」(初恋)と書かれたていた大理石の彫像や、
マコフスキーというロシアの有名な画家の農民を描いた 大きな絵も売ってしまった。
沢田充茂(さわだのぶしげ)著 「昭和の一哲学者」より 慶応義塾大学出版会株式会社 2003年出版