はじめまして

cut by knife

アランのブログにようこそ。
私は大学生のとき毛皮屋さん(株式会社 タカモトミンク)にアルバイトにゆきました。
文字を書くこと、バレーボール、ピアノを弾くこと以外、そんなに指を使ったことがありません。
しかし3か月ほどするとかなり器用に毛皮を張ったり、カットしたり、縫ったりすることができるようになりました。
その時はつくづく自分の手を眺めました。手というのはいろんなことができるのだな~と。
毛皮は浮かしてカットしないと、毛を一緒に切ってしまいます。
書道をしていたのがよかったかもしれません。筆を浮かして書くから。
毛皮ミシンは両手で毛皮を持つようにして縫わなくてはなりません。
バレーボールでオーバーハンドパスをよく練習したので、両肘が安定していたかもしれません。
皮を張るのは、バレーボールのアタックで手首のスナップがよく効いたのかもしれません。
当時はまだエアーのアタッカーがなく手動でした。(駅でポスターを張られる方が時々使っているのを見ることができます)
また、仕事は毛面より皮面を触っていることが多く、バレーボールが革でできていたことも手になじんだのかもしれません。
レットアウトのカットの1本1本は、ボールの一筋、文章の1行のように思われました。
   

(21歳の時の私、ビーバーをレットアウトしています)
レットアウト作業)3~5mm幅にカットして1~2cmずらして縫い直します。

ただ「言葉」が少ないことに驚きました。
ここをなんという?この技術をなんという?言葉のない砂漠に来てしまったと思いました。
でもなにもないから処女地です。この複雑な毛皮の作業を言語化してみたいなどと大きなことを考えてしましました。
数値化や図形、写真など記号化する必要を感じました。
感覚的な言い方(大きいとか小さい)より何センチ、何平方センチでないと共通の理解や標準化ができません。そんなところから出発した毛皮人生を45年も続けてしまいました。英語の先生になってバレーボールをすることを夢見ていましたが・・・・・
いろいろなお客様にお会いでき、いろいろなものを作らせていただけたことは本当に満足しています。
ものを作ることはとても楽しいことです。
私の日々の仕事の中から、昔を思い出したり、これから若い方々にも毛皮に親しんでいただきたい願いを込めて、書き続けてみたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

バレーボール  (佐野 亜蘭)

パス   私の希(ねが)い 空の高みにはじけ上げ

トス    密かな 愛のメッシジ

レシーブ  尽きぬボールへの愛着

サーブ   波打つ祈りの奇跡

スパイク  しなやかな一瞬の閃光

ブロック  冴えた予知のあかし

フェイント  鮮やかな時の喪失

 

石器から現在の替え刃に  上(ヨーロッパの替え刃)、下(日本の片刃)

私たちはペンホルダースタイルでナイフを使いますが、
彼らはグリップスタイルで。
卓球のラケットの持ち方の違いに似ていますね。
ちなみにall of thumbs(すべて親指)はブキッチョのこと

 

アランより

君よ 僕が死んだら
アランの断崖より 僕の亡骸を投げておくれ
打ち寄せる波に砕けて 微塵になって
僕は 大海原に乗り出す

暁には 虹の大輪をくぐり
昼下がり まどろむ波の揺り籠
黄昏て 黄金の大気に酔えば
夜 満天の星につぶやく

やさしい雨を母とし
吹きすさぶ風を父とし
雲を友に
漂い 流れ流れて
昔 アトランテスを呑み込んだ大海原の只中で
僕の悲しみは嵐となる

竜巻とともに 天高く舞い上がり
大気圏を突き抜け

いくつもいくつも星を飛び越えて
やがて宇宙のチリとなった僕は星になる
アランの星に

 

アラン島の断崖に立った時、ここが自分の死に場所だと思った。
まだ幼かったので、こんな詩ができたのだと思う。

一緒に行った恩師(古家かやお)は

  スバル星 我が旅を追い アランまで

  我が屍は 海鳴りのあなた 天の極みに

と詠っている。

Comment

  1. Mr WordPress より:

    こんにちは。これはコメント例です。
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