毛皮をはじめたころ(1968年、昭和43年)

サミュエル・ラファエルの『Fur Craftmanship 』毛皮技術という本が役立った。

英文なのだが、あらゆる毛皮の加工方法を解説した技術書で

その中にすでにリフォームについてかなりのページをさいていた。

印象的だったのは当時ニューヨークでは「リフォームされた毛皮のほうが高かった」とある。

当時としては素材が十分加工に耐えられるという補償になったのだろう。

特にコートの丈出しの方法は面白と思った。ミンクのストライプをステップ状に

カットしてずらすわけで、新しい原皮を見返しや脇に入れ込めばいいわけだ。

色あわせの都合のつくところに新しい原皮を足せばよいのだ。

このステップレットがオットセイの丈出しに役立った。

これは私のオリジナルだと思う。

これでオットセイの丈出しができ、ヨーク使いなどのデザインを避けることができた。

オットセイは綿毛の緻密なほんとに美しい毛皮だ。

幅出しはこの逆にスライドすればいいわけだ。

オットセイはフリッパーホールが一つのネックでこの間を広げる必要があった。

このステップを1コマずらすのは全くOKで毛足の段は出ない。3コマずらしが限界。

                             オットセい3枚を幅出しして身頃に使用しました

作業の手順で3コマずらしをしなくてはならない場合があった。

その時毛皮ミシンで縫いながらふと3コマということがバレーボールの3連続得点と

関係があるように感じた。

9人制バレーは21点でそのうち3連続得点を3箇所とると勝てる可能性(2連続なら6箇所)

があることが分かった。この記録方法は『21のパズル』とよんで、ママさんバレーの指導に役立った。

現在の6人制では25点なので3連続なら4箇所、2連続なら6箇所ということになる。

要は全得点の半数を連続得点で取る事と、

さらにミスを9人制では6以下、6人制では7以下にするの両方を満たしていると

セットを取れる可能性があることが分かった。

毛皮の仕事が思わぬバレーボールに役立ったうれしい瞬間だった。


21のパスルのシート

 21のパズル・ブログはプライヴェートブログです。旅、おばあさま、バレー、音楽、コトバのことをエッセイ風に書いてみました。

 

 

 

 

 

 

 

  現在このシートはエクセルを使いハイパーリンクで画像、映像がクリックアップできるようにしています

今回この懐かしいコートをお持ちいただいたお客様はRF加工で
新たにリフォームしていただきました。

 

 スポーツやファッションの仕事では感覚的な表現が優先されて、
共通の言い回しや、数値化が遅れているように思われました。
特に毛皮ではココをなんと呼ぶ?、この作業をなんと呼ぶ?と言語化ができていない頃からの出発でした。
この世界は私にはコトバのない砂漠のように思われたと同時に処女地のようにも思われました。
この複雑で忍耐ののいる作業を言語化、数値化、記号化(映像化など)してみようと思いました。
その後ワードプロセサー、コンピューター、デジタルカメラ、インターネットの発達で
記号化はずっと楽になりました。日常の作業の間で、科学的な数値やデーターをとってゆくことは
さらに努力のいることです。でも私は記号転換することがとても好きなようです。
イメージをデザイン画に変え、トワールにかえ、パタンにかえ、毛皮にかえ・・・と素材は変わってゆきますが、
記号転換しているようなものです。その間にメッセイジをミスなく伝えるわけですが、
それでもミスは出ます。バレーボールと同じですね。

最近のバレーボールは見事に記号化できるようになりました。
イタリアで開発されたバレーボールソフト(データバレー)で
完璧なくらいの情報が記号化されるようになりました。
このソフトを見た瞬間、ショックを受けました。
まさに英語の語順をそのままバレーボールのプレーの表記に利用していたことでした。
英語を長くやって来た私としては本当にショックでした。
日本語の語順からはこの発想はでてきません。
  S-V-O-(from)A-(to)Bという第3文型をそのまま#3P(the boll)ABと表記し
背番号3番がパスA地点からB地点へ 、というセンテンスに変えているわけです。

私たちの日本語は語順を朝鮮語から借用して、文字は漢字を利用しています。
音声を表音文字(ローマ字など)に直してから音節文字(ひらがな、カタカナ)に直し
更に表意文字(漢字)に直すという3重苦、4重苦の文字体系です。
  hi→ひ→日・火・非・費・・・・
将来日本語はどんな風に変化して行くか楽しみな言語です。


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