ヤブレ直し
あらゆる毛皮は、前足下と後ろ脚前の皮に弱いところがあります。
この部分が入らないように、最初の水張りで外に出るようにします。
前足部分はネックと言われ、少し細くなっています。やはり最初の水張りでこの部分を横に伸ばして、広げて張るようにします。
以上にような作業の為、他の部分より皮に負担がかかっていると思います。
その後レットアウトなどの作業でこの部分は、ハーフコートなどでは背幅線、前幅線あたりに並んでしまうことがあります。
長い年月後、この部分にヤブレが生ずることがあります。
ヤブレ部分の糸をほどき、縫い目をカット、5mm伸び止めテープを張り、縫い合わせます。
その後、補強用接着芯を張ります。
更に、コートの背幅線に当たるところに5cm幅の接着芯を補強しておきます。
中にはすごい直しもあります。
袖
下の写真の製品は、たぶん30年以上前に作られたのもので、
ようやくメス(female)のミンクが一般化した時代のものだと思います。
オスに比べ、サイズが小さいので(3サイズで600平方センチ位)面積出そうとして、かなり頑張って水張りしたのかも。