時々クリーニングの業者さんなどから持ち込まれる修理です。
毛癖をとる為に、うっかり蒸気をかけ過ぎて、皮が急に収縮してしまい、固くなってしまいます。
それぞれ収縮して皮も毛もヨレテしまいました。
補修方法は
(1)収縮部分に、皮面より、スプレーで水をつけて、
(2)ゆっくりもみながら皮に水を浸透させます。
(軽く叩いて浸透させる場合もあります。)
(3)ゆっくり指先で伸ばしながら皮が伸びることを確認します。
確認できたら、ステープルでネイリングします。
水をつける前のフォックス 水をつけ伸ばしてからネイリング
(4)1日乾燥させれば、もとの形に戻ります。
ただし少し硬さが残ったり、十分伸びない場合や皮が破損する場合もあります。硬さをとるために揉むと少し柔らかくなりますが、ゆっくり慎重に作業しなくてはなりません。
収縮を修正して元どうりになりました。
毛皮をストーブの脇で焦がしたり、酔って毛皮を着たままシャワーに入ってしまったとか、びっくりするようなことがありますが、皮面を破損していない限り、かなりの修理が可能です。ダメだと諦めず、必ず相談してください。
クリーニング店で、毛皮とわからず蒸気アイロンを使ってしまうケース、
過去にフッ素処理された毛皮などは逆に水をつけすぎると、さらに固くなってしまう場合もあります。
毛皮は素敵で、管理の比較的楽な素材ですが、慣れていない分トラブルになることがあります。